第1回:空間にも腸内フローラが?第四のフローラ「空間フローラ」とは
掲載日:2025.07.28
空間フローラを整える意義
腸内フローラのバランスを整えることが健康に繋がるように、空間フローラのバランスを整えることも、私たちの健康や快適性にとって重要だと考えられています。
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健康リスクの低減
アレルギーの原因となるカビや、病原性を持つ細菌の増殖を抑えることができます。
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快適な環境
不快な臭いの原因となる菌の繁殖を防ぎ、心地よい空間を維持します。
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「菌を育む」という発想
従来は「殺菌」「除菌」という考え方が主流でしたが、これからは有用な菌を活かし、有害な菌を抑える「育菌」という考え方も大切になってきます。
共生という新しい発想
「空間フローラ」という概念は、単に掃除をして綺麗にするという衛生観念を超え、微生物と共生するという新しい視点を取り入れている点が非常に画期的です。
私たちの周りには無数の微生物が存在し、それらをすべて排除することは不可能です。むしろ、有益な微生物が優勢な環境を整えることで、有害な微生物の活動を自然に抑え、より健康的で快適な生活空間を実現できる可能性があります。
「フローラ」という言葉の広がり
「腸内フローラを整えて健康に」
「お口の菌活で、口腔内フローラをケア」
「美肌のカギは、肌フローラ」
最近、私たちの健康や美容において「フローラ(お花畑)」という言葉をよく耳にしませんか?
これは、特定の場所に多種多様な細菌が、まるでお花畑(Flora)のように集まって生息している状態を指します。
腸内や口腔内、肌にいる細菌たちは互いにバランスを取りながら生態系を築き、私たちの健康を守ってくれています。
この「菌との共生」という考え方は、新しい常識となりつつあります。
では、住空間にも“お花畑”が?
あなたが毎日多くの時間を過ごす「住空間」にも、同じようなフローラが存在するとしたら…?
実はそれこそが、今、快適で衛生的な暮らしの新しいカギとして注目されている 「空間フローラ」 なのです。
第四のフローラ=空間フローラとは何か?
空間フローラとは、私たちの家やオフィスといった空間に存在する、目には見えない微生物たちの生態系のことです。
空気中を漂い、壁や床、カーテン、家具などに付着している細菌、カビ(真菌)、酵母といった無数の微生物。
彼らが集まって形成するバランス、それこそが「空間フローラ」の正体です。
他のフローラとの比較
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腸内フローラ:食べ物の消化を助け、免疫力を司る。
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口腔内フローラ:虫歯菌や歯周病菌の侵入を防ぐ。
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肌フローラ:外的刺激から肌を守り、潤いを保つ。
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空間フローラ:アレルギーの原因物質や不快なニオイの発生を抑制し、空間全体の快適性や衛生状態を左右する。
まとめ
体の中だけでなく、私たちを取り巻く環境にも、見えない「菌のパートナー」たちがいるのです。
次回は、空間フローラが乱れる原因と対策について詳しく解説します。